関西宇宙イニシアティブ(KaSpI) 設立の趣旨と背景 2008.03.28
東大阪の小型人工衛星「まいど1号」の打ち上げが近づきました。言うなれば、関西の宇宙開発はいよいよ第一場の幕が上がることになります。
我が国の宇宙開発は、予算、国際問題、通商問題等、様々な制約の中で進められて来ました。研究開発の分野でも、平成13年に設立された国の総合科学技術会議では、4つの重点項目に含まれず、ロケットの失敗や衛星の不具合もあり、苦難の時代が続きました。
しかし平成18年度からの5ヵ年を対象とする第3次科学技術基本計画では、新エネルギー開発などとともに、宇宙開発はわが国の科学研究のフロンティア分野として重要な役割を果たすと位置付けられ、また平成20年5月には我が国の宇宙政策を明確にする宇宙基本法が定められて、宇宙への取り組みは新しい一歩を踏み出すことになりました。
数十年前、これほど多くの人が航空機を利用することになるとは、誰も思っていなかったでしょうし、インターネットや携帯電話が僅か十年でこれほど大きく社会生活を変えることになるとも思っていなかったでしょう。
今、環境問題をはじめとする様々な問題が、地球規模・宇宙規模での社会変革を迫っています。
これらの問題を理解し乗り越えるために、宇宙から見る、宇宙を調べる、宇宙を利用する、ことが、重要な手段になるという認識は、すでに一般化しつつあります。
人類の活動は大きく宇宙に広がって行くことでしょう。
これからの宇宙開発にはコストダウンが不可欠ですが、これまでなかなか達成できませんでした。おりしも関西の中小企業のグループが小型衛星の製作に名乗りをあげ、JAXA・大学との協働で見事「まいど1号」を生み出し、信頼性を失わずにコストダウンを実現する可能性への期待が生まれました。
このプロジェクトで養成された技術者や、蓄積されたノウハウを活かし育てて、小型衛星技術の更なる研究・開発・利用を図ることは、日本の今後の宇宙開発に大きく寄与するとともに、宇宙への夢を通しての科学少年の育成、宇宙関連ビジネスの萌芽・成長、地元産業界への波及などの、大きな効果をもたらすことが期待されます。
今こそ、関西を拠点とした宇宙開発の展望を拓くために、広い視野と柔軟な発想で宇宙開発の将来を考え、判断し、提言し、強い発信力と実行力でその実現を図るために、行動を始めるべき時であります。
我々は、ここにその場としてKaSpIを設立し、以下の活動を開始することに致しました。
・関西における宇宙開発の位置付け・役割と方向性を示すこと。
・関西を拠点とした宇宙開発を具体的に進めるプロジェクトを提言し、推進すること。
・企業・関係機関及び諸団体の参加と協力を得るために、中核的な役割を果たすこと。
関西宇宙イニシアティブ(KaSpI)設立の発起人(あいうえお順)
東久雄・稲田伊彦・大久保博志・小川信夫・加賀信幸・河崎善一郎・黒河宏企・杉本日出夫
畚野信義・松本紘・吉川一雄
関西宇宙イニシアティブ(KaSpI)設立の発起人(あいうえお順)
東久雄・稲田伊彦・大久保博志・小川信夫・加賀信幸・河崎善一郎・黒河宏企・杉本日出夫
畚野信義・松本紘・吉川一雄